Atelier日記「京都の平熱」by Ikeda Art Planet

京都のプロダクトデザイン事務所「イケダアートプラネット」2011年11月1日 四条烏丸から平安神宮のよこ・大正後期築の町家「京町家@Atelier」に移転しました。このHPは「和」のしつらえや提案「日本的なモノ」を求められる当社の本業とは別〈ありふれた日々〉のあれやこれや。京都・岡崎のちょっと有名な古民家地区から京都暮らしの熱量をこっそり更新中。

芸術のゆくえ。

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MIHO MUSEUMにいきました。

 

 

山の中の桃花源。つまり桃源郷をモチーフにつくられた美術館です。

漁師が山に迷い込み桃の林を進みやがて洞窟をぬけると

そこは異世界だった。

設計はルーブルの光のピラミッドをてがけたイオ・ミン・ペイ。

中国系米国人の理想郷が日本の滋賀県信楽町に完成したのは1997年。

母体は宗教法人で、

個人の所蔵品を展示することからはじまったコレクションのよーです。

 

 

個人の持ち物だとすれば凄まじいラインナップ。

琳派のスター作品から若冲・池大雅他。全世界の古美術から天目茶碗まで3000点。

美術館の立地も素晴らしい。必見ではあります。ただ、

たとえるなら

ヴィトン、シャネル、エルメスにはじまり、

ベントレー、フェラーリ、ブカッティ、ロレックス、マイセン、バカラ…

壁画から落書きまで。古今東西有名なモノと聞けば用途を問わず一品づつ買いそろえた感じ。

通販の流行歌CD全集やクラシックのイントロCDのような展示で、

〈個々の作品や作者にたいする愛〉は感じられなかったのでした。

 

 

だれかが心をこめて描き上げた唯一無二の絵画が、

ここに行き着き高価な異郷のコレクションとともにナンバーで整理される。

さながら動物園でアフリカゾウと南極ペンギンが並ぶように。

現在の美術品の定めなのだと思いますが

すこしでも芸術を志すものには

悲しい景色です。